これは気持ちのいい映画ではありません。最初からそう言っておきます。
雨が降り続くとある大都市。退職まであと一週間のベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と、血気盛んな新人刑事ミルズ(ブラッド・ピット)がバディを組み、奇妙な連続殺人事件を追います。犯人はキリスト教の「七つの大罪」になぞらえた方法で、次々と人を殺していく。猟奇的で、陰湿で、見ていると少しずつ気分が悪くなってきます。それがクセになります。
この映画はとにかく暗いです。晴れるシーンがほとんどありません。雨、薄暗い路地、黄ばんだ街灯、じめじめした室内。画面全体がずっとどんよりしていて、観ているうちに自分もその街に閉じ込められているような感覚になってきます。世界観の作り込みという意味では、ここまで徹底した映画はなかなかありません。
犯罪現場もとにかく陰湿です。派手な血しぶきではなく、じっとりとした狂気が画面ににじみ出てくる感じ。犯人が何を考えているのか、どんな人間なのか、想像するほど気持ち悪くなる。それでも目が離せない。この映画の恐ろしさはそこにあります。
ブラッド・ピットが若くてカッコいいのに、この映画ではそれすら許してくれない空気があります。どれだけカッコよくても、この闇の中では関係ない。そういう絶望感が最初から最後まで漂っています。
正直なところ、結婚した後には見たくない映画です。理由はネタバレになるので言えません。ただ、観た後しばらく引きずります。それがこの映画の証明だと思っています。
落ち込みたい夜に、絶望を全身で感じたい夜に、ぜひ。ただし病んでいる時だけはやめておいてください。

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